2011年2月28日月曜日

Goes to...

米アカデミー賞授賞式を生中継で観た。

まぁ,ほぼ下馬評通りという感じだったが,一応,主要 6 賞についてボクの予想と結果をまとめると以下のような感じ。



予想結果
作品賞 英国王のスピーチ 英国王のスピーチ
監督賞 デイヴィッド・フィンチャー
ソーシャル・ネットワーク
トム・フーパー
英国王のスピーチ
×
主演男優賞 コリン・ファース
英国王のスピーチ
コリン・ファース
英国王のスピーチ
主演女優賞 ナタリー・ポートマン
ブラック・スワン
ナタリー・ポートマン
ブラック・スワン
助演男優賞 クリスチャン・ベイル
ザ・ファイター
クリスチャン・ベイル
ザ・ファイター
助演女優賞 メリッサ・レオ
ザ・ファイター
メリッサ・レオ
ザ・ファイター

というわけで,監督賞のみ外してしまった。監督賞は,デイヴィッド・フィンチャーか,『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキーあたりに行くんじゃないかと思ってたんだけど,結果は主要どころを『英国王のスピーチ』が持って行ったということか。

ただ,『英国王のスピーチ』も 12 部門のノミネートで受賞は 4 賞のみ,上の 3 賞に加えてオリジナル脚本賞を獲ったのみだったので,序盤はどうなることやらと思ってしまった。

個人的には,イチ押しの『ザ・ファイター』が助演賞 2 つを獲ったことは素直に喜びたい。しかし,これら 2 賞にはジェフリー・ラッシュとジャッキー・ウィーバーもノミネートされていて,彼らが受賞を逃したのは若干残念ではあるけれど。

残念だったのはコーエン兄弟の『トゥルー・グリット』。『英国王のスピーチ』に次ぐ 10 部門のノミネートを受けながら受賞はゼロ。彼らの作品としても地味めだったことが災いしたか。一方,効率的だったのは『インセプション』(8 部門中 4 部門受賞)。さもありなんとは思うが,技術賞関係をほとんど持ってった。

司会はアン・ハサウェイと『127 時間』で主演賞にもノミネートされてたジェームズ・フランコ。最初はどうなるかと思っていたが,可もなく不可もなくと言ったところか。途中,ボブ・ホープの映像を使ったところもあったけれど,やっぱりビリー・クリスタルあたりがやっていた頃の方がショーとしては面白かったような気がするなぁ。

あまりサプライズはなかったけれど,まぁまぁ楽しめた。

しかし,ジャッキー・ウィーバーが受賞を逃したことで,"Animal Kingdom" の日本リリースがさらに遠ざかったような気がする。どうなる??

2011年2月27日日曜日

酔いどれ天使

クロサワ映画にこんなのがあったが,今日は映画の話ではない。

お隣のマツモト先生一家が今週帰国する。その前にこっちで気に入ったビールを生で呑みに行きたい,ということで,フィッツロイにある Little Creatures Dining Hall にご案内。ここのペールエールがご夫婦のお気に入り。Little Creatures は西オーストラリアのフリーマントルにあるブルワリーだが,メルボルンにはここのダイニングホールだけがある。ここのビールは比較的流通量が多くて,オーストラリア国内どこに行っても酒屋で手にすることができる。

かわいらしい天使のエンブレムでおなじみ。


しかし,この天使が右手に持っているのは実はビアジョッキ。シルエットではわからないが…


細部が明らかになると,実はあんまりかわいくない。トンだドランクン・エンジェルなのであった。

さて,ここのレギュラービールであるピルスナー,ペールエール,ブライトエール,アンバーエールの他,今日は,シングルバッチの East Kent Goldings Ale が出ていたので,僕はそれをオーダー。実は,昨日 Hawthorn にある Slow Beer でボトルを 1 本購入していたんだが.どうせならタップで,ということで…

 

クリスタルモルトを使っているんだろうと思うが,色は金色よりも少し琥珀色がかっている。香りは,ハーブ系の香り…というよりも,いわゆる干し草や土のような香りに近い。East Kent Goldings ってもっと華やかな香りがしそうなイメージがあるが,どうなんだろ。スタイルとしては典型的なイングリッシュ・ペール・エールだと思う。ボディはミディアムで,苦味は強すぎないが,比較的しっかりしている。その背後で,ややモルト由来の甘みを感じる。

ただ,「典型的」と表現したように,あまりチャレンジングな感じはしない。East Kent Goldings を使ったシングルホップのエールだとしても,ホップの特徴もそれほど強く出ていないような気もするし,悪くはないけれど,distinctive とは言い難いと思う。少し残念かな? まぁ,贅沢言っちゃいけないが。

ビールを呑んだ後は,ぶらぶら歩いてアパートまで帰った。途中,イタリア人街 Lygon St. ではお祭りをやっていて,世界最長のピザを焼いてギネスにチャレンジみたいなイベントも行なわれていたらしい。


どうやら終わった後っぽかったが,びっくり世界新記録は達成されたんだろうか。

2011年2月26日土曜日

鰊島

♪鰊来たかと鴎に問えばぁ~♪

っとくらぁ。……えー…

酔ってないぞ。

てなわけでございまして,今日は,Herring Island っつうとこに行ってきた。この島,メルボルンを流れるヤラ川に中洲のように浮かぶ一辺 100m くらいの三角形をした人工の島。別にニシンが獲れるわけではなくて,人の名前にちなんで命名されたらしい。その人の先祖がニシン漁師だったかどうかは定かではない。

さて,この島はメルボルンでも知る人ぞ知るスポットのようだが,夏の間,週末だけアートフェスティバルが開催されていて,この時だけ島に渡ることができる。対岸から島まではせいぜい 10m くらいなので,渡し船(パント船)で渡る。所要時間 30 秒


ちなみに,島の中はこんな感じ。


なんか,普通にファミリーでピクニックとかしてる。アートフェスティバル,どこやねん? という感じ。で標識を信じてブッシュの中を歩いていくと,小さなアートギャラリーを発見。


ギャラリーでは絵画やオブジェなどが展示されていて,ワインや軽食も振る舞われ,リラックスしてゲージツを楽しむことができた。

ちなみに,島の中(屋外)には,自然を活かした彫刻やオブジェが点在している。




とか,こんな感じ。で,こんなのも…


んんんん,ア,アート…?? 

ゲ,ゲージツは奥が深い…っつうか…やっぱ…

バクハツか??

2011年2月25日金曜日

SAVE NZ

ニュージーランドはクライストチャーチの大地震。

連日,日本でも報道されている(と思われる)ので,みなさんの関心も高いことだろう。

実は,この地震が起こる数日前から,空に真っ赤な夕焼けが確認されたり,クジラの大群が打ち上げられていたり,という異常現象が起こっていたらしい。(僕は平野美紀さんのブログで知りました。関心ある方はご覧あれ。)

こういう現象は過去の大地震のときにも確認されていたという報告があるらしいのだが,科学的に因果関係があるかどうかはよくわからないらしい(専門家の方がいたらコメントください)。

ただ,地質学的,生物学的な根拠は分からないまでも,過去に遡って大量のデータを取れば,この因果関係が確率的にもっともらしいかどうか検定することくらいはできるだろう。あるいは,原因と結果の関係を確率を用いて記述することで,ベイジアンネットかなんかを使って予測することくらいはできるんじゃないだろうか(→どうスか?某同僚)。

ただ,地震などの災害予測というのは,「災害が起こるよ!」と報じることで,人々がパニックを起こさないよう,慎重を期す必要があるから,単に確率だけで議論するのは危険極まりないとは思うが…

ま,こういうことは先のことで,とりあえず,今,我々にできることはたくさんある。

今,皆さんにできることをしてみてください。
取り急ぎ,上の 3 つだけピックアップしましたが,その他,追加すべきところがあれば,コメントをお願いします。

2011年2月24日木曜日

オスカル!

タイトルから違うの予想した人がいるかもしれない。

さて,オーストラリアの東時間では来週月曜日の正午から行なわれる第83回アカデミー賞授賞式。日本では WOWOW あたりが独占生中継だと思うが,オーストラリアは地上波の無料局 Nine がロスから生中継。

作品賞候補 10 本のうち,日本ではこれから公開されるものも多いんだろうが,オーストラリアではすべて公開済みで,僕も 10 本中,7 本を観ている。観ていない 3 本は "Toy Story 3", "Kids Are Alright", "Winter's Bone" だが,トイストーリーはオッサン一人で観るもんじゃないし,残りの 2 本は何か肌に合わなそうだったので未見。

というわけで,残りの 7 本について,僕が好きな順に並べてみる。(ちなみに作品名のリンクをクリックすると僕のブログエントリに飛べます,飛べます。)
  1. ザ・ファイター
  2. ブラック・スワン
  3. 英国王のスピーチ
  4. トゥルー・グリット
  5. 127時間
  6. ソーシャル・ネットワーク
  7. インセプション
1位の『ザ・ファイター』はダントツ。2位の『ブラックスワン』と3位の『英国王のスピーチ』はその日の気分によって順序が変わるかも。4位以降もはっきりとした順番は付けづらい。別に「インセプション」が面白くなかったというわけではなく,本当に良作が多かったと思う。

いや,『ザ・ファイター』はブログでも書いたが,本当に面白かった。作品賞を獲ることは恐らくないと思うけど,スポーツ映画としても楽しめるし,実話とは思えないほど,エキセントリックで笑える。クリスチャン・ベイルの助演男優賞受賞は間違いない。

『ブラックスワン』は,ダーレン・アロノフスキーが自分の世界観を失わずに美しいサイコスリラーとしてまとめた感があるけれど,この手の作品が受賞するのは難しいと思う。

となると,下馬評通り,やっぱり『英国王のスピーチ』なのかねぇ。この作品はすごくいい作品だとは思うけれど,今ひとつ押しが弱い気もするのよね。まぁ,でも,このくらいが作品賞として収まりがいいのかもしれない。

『ソーシャル・ネットワーク』の評判も高いようだけれど,もし,受賞したとして,5 年くらい経ってから振り返った時に「なんであれが獲ったのかねぇ」なんて思うんじゃないかって気もする。

いずれにしても,今年はいい作品が揃って,なかなか面白くなりそうだ。

ちなみにオーストラリアでは,助演女優賞に "Animal Kingdom" のジャッキー・ウィーバーがノミネートされているんだが,本命のメリッサ・レオ(ザ・ファイター)にオッズで 40 倍近い差を付けられているとかで,ちょっと厳しそうだ。実は『ザ・ファイター』が一番面白かったと思う僕でも,演技という意味ではメリッサ・レオよりもジャッキー・ウィーバーの迫力の方が勝っていたと思うだけに,ダークホースの大逆転を期待したいけれど…

さてさて,どうなりますことやら。

追伸: しかし,"Animal Kingdom" が日本公開されそうな気配は全くないな。何度も書くようだが,こんな傑作が DVD スルーとはホントにもったいない!! 頼むから DVD くらいはリリースしてよ!!

2011年2月23日水曜日

外様

今朝の新聞に気になる記事が載っていた。オンライン版はこちら

オーストラリア国内における人種差別に関する調査結果。オーストラリアは,言うまでもなく,白豪主義という暗い歴史を抱えているわけだが,現代においても様々な差別が存在するようだ。その対象は,アボリジニだけではなく,ムスリム,アジア,ユダヤなどにも及ぶ。

調査結果によると,ムスリムに対する差別意識があると回答したのが何と 48.6 %!これは驚くべき数字だ。先住民に対する数値 27.9 % をはるかに凌ぎ,ほぼ 2 人に 1 人がイスラム教徒に対する差別意識を持っていることになる。まぁ,昨今の政治的な要因も無視はできないんだろうけれども。

でも,差別することはないだろ。

我々アジア人も他人事ではない。アジア人に対する差別意識は 23.8 % でユダヤ人の 23.3 % とほぼ同じ。アジア人に対する差別意識が顕著なのはゴールドコーストやケアンズがあるクイーンズランド州が最も多く 27.9 %。次いで,シドニーのあるニューサウスウェールズ州が 27.2 % だ。ケアンズやシドニーはメルボルンに比べても日本人居住者や観光客が多く,ケアンズに至っては,1 ブロック歩けば日本人に出会うような有様。ひょっとすると外様が我が物顔で歩く様子が現地人の嫌悪感を誘発しているんだろうか??

一方,メルボルンのあるヴィクトリア州はこの 2 州より少し少なく 19.7 %。それでも,およそ 5 人に一人はアジア人に対する偏見を持っていることになる。なるほど,そうなのかぁ。

と,数値を見ると,

何じゃ!この国は!?けったくそ悪い!

という気もしないではないのだが,冷静に考えてみると,日本で同じような調査を行なっても似たような結果が出るんじゃなかろうか。イスラム教徒や,同じ東アジアの国である中国人や朝鮮人などに対してだ。

今,政府は大学や高専などの高等教育機関に留学生の受入増を推奨している。その多くが東アジアや東南アジアから入ってくることだろう。将来的には東京なんて,現在の状況に輪をかけて,多国籍文化溢れるメトロポリタンへと変貌していくに違いない。それに,日本にだって先住民族は存在するわけだ。さて,我々日本人の意識はどんなものなんだろう。

そう考えると,まったくもって他人の庭の話ではないという気がする。

オーストラリアで暮らしていても,この数字ほど,日本人に対する差別意識を感じることは多くない。大体,みんなフレンドリーでいいやつらだ。でも,表面に現れるところではなく,本音でどう感じているか,ということ。それと,非常に強い差別意識や思想を持つ層が確かに存在している,ということは否定できないだろう。

まぁ,オーストラリアの場合,そもそもは白人が外様だったわけで,問題はさらに深いわけだが…でも,これはそのまま北海道にも当てはまる…やはり他人事ではない。

2011年2月22日火曜日

The Four Times

変わった映画を見た。イタリア映画。ミケランジェロ・フランマルティーノ監督作品。
Le Quattro Volte

試写だったんだけど,会場の ACMI の学芸員から上映前に説明があった。セリフはほとんどない静かな映画なので,多少のイタリア語は聞こえるかもしれないが,字幕は付いていない…と。

うーん,退屈なんじゃないかねぇ。

ということで,ちょっと気合を入れてスクリーンと対峙。イタリアの山深い小さな村。山羊飼いの老人…確かに静かな映像が続く。しかし,不思議なことに何故か退屈しない。気が付くと,次に何が起こるんだろう,と頭をフル回転させながら観ている自分がいた。ちょうど,旅行で人里離れた村を訪れ,あっちに行ったら何があるだろう,とか考えながら歩いている感じ。そう,見ているうちにすっかりスクリーンの向こうの世界に入り込んでいた。

キャメラはこの街で起こる小さな事柄を基本,固定アングルで切り取っていく。こういう風に書くと,NHK 「おはよう日本」あたりの

今朝の水戸市の様子です

みたいな映像かと思われるかもしれないが,そうではない。僕の脳は時折,タイトルが何を意味するのかを考えながら映像を追いかけていた。英訳は "The Four Times"。4 つって何だ??

実は,この映画は素朴な自然と人間の交わりの様子を何気なく切り取っているように見えて,実は緻密に計算されていることに次第に気付く。ここに描かれているのは,人間,動物,植物,自然,大地,それらが織りなす命の連鎖だ。西洋に輪廻転生の思想があるのかどうかは僕は知らないし,僕自身はそういう宗教観とは無縁なので,宗教的に何を意味しているのかまで言うつもりはない。けれども,ここで描かれていることは人間の歴史でこれまで綿々と続けられてきた命の営みそのもの,そして,ここに映し出されている風景,人々の様子は過去のことではなく,現在も同じように続けられていること。そして,恐らくはこれから先も,この村では,このような自然と人間との共同作業が続けていくだろうことが暗示される。

映画はラスト,冒頭と同じような風景に回帰する。そのことがまさに,この映画のテーマそのものを,あまりにわかりやすいまでに体現していた。始まって 20 分くらいで僕の後ろにいた兄ちゃんが逃亡したが,最後まで見なくちゃぁ。最後に,なるほどね,と言って膝を打った。

僕自身も見ながらいろいろな思いを巡らせていたけれども,テーマは1本スジが通っているとしても,人によって,捉え方はいろいろだと思う。ただ,僕はやっぱり,人間がマクロな視点で観れば,自然界の部品の一つでしかないこと。そこにいる自分の存在がいかに小さいものであるのかということ,そういうことを実感した。いかに大都会で暮らしていようが,スノッブにわかったようなウンチクを並べていようが,人間も広い世界のほんの一部にすぎない。

Life is very short. 

そう,我々が過ごす時間は歴史の長さに比べれば冗談みたいに短い。自分の命が果てれば,また,いつか自分と似た人間がこの世で自分と同じようなゴタクを並べるかもしれない。そんなことを考えながら,帰りのトラムに乗った。

クイーンズランドでは今年ひどい洪水があったし,ニュージーランドではまさに今日,大きな地震が起こった。犠牲者も多かったようだ。こんなニュースも上のような僕の想いに拍車をかけた。

心が洗われる映像体験。
こういのもたまにはいい。

2011年2月21日月曜日

史上最痛

あの…マラソンとか箱根駅伝とか…テレビで良く中継ありますねぇ。あんな感じ? いや,駅伝は何人もでタスキつなぐから,やっぱマラソンだな。マラソン中継って,2 時間以上見ることわかってて,

2 時間って長いよね

って思っても見ちゃうよね? そそそ,そんな感じ。まぁ,個人差はあるだろうけど。

で,何の話かっていうと,今夜,月曜 Nova でダニー・ボイル監督の新作『127 時間』 (127 Hours) を見てきた。実話の映画化で,今年のアカデミー作品賞にもノミネートされている。

どんな話かっていうと,主人公アーロンは,一人でロッククライミングに行くが,その途中でアクシデントに逢い,岩に右腕が挟まって取れなくなってしまう。で,腕がとれるまでの時間が 127 時間っていう…

うーん,一言でいうと何か異様にあっさりしちゃうな…

でも,そんな生やさしい話じゃない。映画の冒頭,結構早いうちに腕は挟まってしまう。観客はタイトルから,とれるまで 127 時間かかることを知っている。ここがマラソン中継に似ている。マラソン中継なら,途中景色も変わるし,先頭の選手だけじゃなく,いろんな人の様子が映し出されるが,この映画は,腕が挟まってからとれるまで,主人公の夢や妄想を除けば,この兄ちゃん一人しか映らない。しかもこの兄ちゃん,もしものために家族にメッセージをってことで,ビデオカメラに自分の様子を記録する。ちょっと古いが,何か電波少年系の企画みたいだ。

いや,そんなに悠長なこと言ってる場合じゃない。127 時間て 5 日以上だよ。5 日以上,腕が岩に挟まって取れない。もちろん,血は通わない。水も食料も切れる。挟まって動けなくても,腹は減るし,喉は渇くし,出るものも出る。携帯も持って来ていなくて連絡手段もなければ,この兄ちゃん,誰にも行き先を言わずに来ている。もう究極のサバイバル。

ベア・グリルズも真っ青な状況だ。

マラソン中継にも同じような疑問を抱く向きもあるだろうが,こんなん,ずーっと見てて果たして面白いのか? というと,これが目を離せない。ここはダニー・ボイル,映像にも観客を飽きさせない工夫を凝らしているし,主人公が次第に追い込まれていく様を絶妙なペースで描き上げる。直球と変化球をバランスよく投げ分ける百戦錬磨のベテラン投手のようだ。

こういう密室の状況ってのは,ミステリーやコメディ,ホラーなど,映画やドラマでよく使われる典型的なパターンだ。しかし,作り話でこういう状況を思いつくかっていうとなかなか…

まさに,事実は小説より奇なり…

いや,それにしても,見てる方まで痛いし辛い。アクション映画でビックリして座席から飛び上がるってのはあるけれど,ジリジリ痛くて,座席で身をよじる経験ってなかなかない。

見終わった後,隣に座ってた女の子と思わず顔を見合わせてしまった。

"... It really hurts..."

"...Yeah, I know..."

いや,ホント。マラソン中継見ててもこんなに疲れないけど,これは疲れたわー。
けだし…傑作。

日本公開は 6 月だそうだ…覚悟して臨め。

2011年2月20日日曜日

テイスティング講座

今日は,このブログでも何度か登場したスウェーデン人の Tommi と待ち合わせて,シティのパブにビールのテイスティングをしに行った。Tommi はワインのテイスティングは経験があるけれど,ビールのテイスティングはしたことがないってことで,いつか連れてってくれ,と言われていた。

まぁ,単に呑みに行ってウンチクたれるだけなんだが…

セントキルダの Local Taphouse に行こうかとも思ったんだが,できればシティの中でってことで,まずは,Young & Jackson の 2 階にある Chloe's Bar へ。ここでは今月,Richmond にある Mountain Goat の特集をやっているので,それにトライ。

IPA を頼もうと思ったら品切れってことで,Tommi は小麦麦芽を 30% 使った Skipping Girl というエールを。じゃ,他のウィート(小麦ビール)と比べてみようということで,僕は Young & Jackson のオリジナル,Naked Ale をオーダー。

ビールのテイスティングは五感をフルに使う。嗅覚と味覚は言うまでもないが,視覚(色,泡の感じ),聴覚(上がってくる泡の音),それに舌の上で感じる触覚(ビールのボディ)。これに僕はもう一つ,第 6 感も必要だと思っている。

数あるタップの中からベストの 1 杯を見分ける能力…

なんてバカ話をしたり,ワインのテイスティングとビアテイスティングの違いなんかを話したりしながら,2 つのビールを比べた。同じ小麦麦芽を使っていても,見た目から味わい,香りまで全く違っていたので,Tommi もなかなか興味深かったようだ。香りも Skipping Girl はベリー系のフルーツの香り,Naked Ale はウィートビア特有のバナナやクローヴのような香りがあって,双方とも特徴的。僕は Naked の方が好きかな。

ここではこの 2 杯を呑んだだけで,次は別のところへ移動。実は,期間限定で特別なビールをサーブしてるってことで,Russel St. にあるブルワリーパブ Portland Hotel (James Squire) へ。

そのビールがこちら。

Mad Brewers Scribbly Gum Lager


ご覧の通り,無ろ過で濁ったラガー。香りはすごく複雑。南方系のフルーツのようなアロマもあるが,その奥にスモーキーな感じもある。このビールについての情報はほぼ無の状態で行ったんだが,ペールモルトの他に小麦麦芽とスモークモルトも使っているとのこと。やった!正解!

カーボネーションはそれほど強くないがボディもしっかりしていて,バランスもいい。ハーブのような香りもして,後味はさわやかな苦みがほのかに残る。名前の Gum Lager から連想してしまったのかもしれないけれど,この爽やかなハーブ系の香りはユーカリに似ているかもしれない。いやいや,これは複雑でウマいラガーだ。説明を読むとオーストラリアの pepper leaf ってのも使っているらしい。pepper leaf ってニュージーランドに行ったときにブッシュウォーキング中にかじった辛い葉っぱかなぁ。違うかも。でもこのハーブのような香りと後味は月桂樹の葉にも少し似ている感じがするから,そんなのも影響しているかもしれないねぇ。

ここには,テイスティングパドルもあったので,二人でこれにも挑戦してみた。


左から Scribbly Gum Lager,Pilsener,Portland Pale,Amber Ale,India Pale Ale,Highway Man。それぞれ違ったタイプのビールを試せて Tommi も満足したようだ。僕はシトラス系の香りが強く,スッキリした苦味が長ーく喉の奥に残る Highway Man が一番良かったかな。

テイスティングの基本と僕の与太話,日本のビールの話などしたり,ビールの話題を離れて最近観た映画の話になったり…彼とはいろいろと話が合うので,気が付いたら 4 時間近く経っていた。

来月は Federation Square で行なわれる Microbrewers Showcase にも一緒に行くことにしている。いい予習になったんじゃないかなぁ。

ところで…

これはオーストラリアで授業をやった実績にはならんですかね?

ならんですよねぇ…


2011年2月19日土曜日

キャラ祭り

シティにある RMIT 大学のギャラリーで

Japan : Kingdom of Characters

なる展示がされているということで行ってきた。既に行ったことのある人から聞いたところ,

ものすごくショボく,見てる人も少ない

ということだったので,まぁ,ヒマつぶしくらいにはなるかってことでね。


写真を見ておわかりの通り,この展覧会,日本が生んだテレビやアニメをはじめとする様々なキャラクターを時代を追いながら展示するというもの。うん,確かに内容はかなりショボい。

なんていうか…文化祭の展示レベル

ただ,話に聞いたのと違って,結構来場者は多かった。僕のいた時間帯でも,40~50人はいたんじゃないだろか。内容もショボいとは言え,かなり脱力のものもあって,一歩引いて見ると,かなり楽しめる感じ。

上の写真にもチラッと見えてるガンダム。中国は成都のやつと違って,こちらは本家モデル。


ただ,最近中国のは異様なトゲトゲが付いたりしてパワーアップしたらしいし,この本家は大きさも人間サイズくらいなんで,迫力には欠ける。

ゆるキャラコーナーもあり…


せんとくん発見。

まんとくんについては言及すらなかったので,海外進出という意味では,ライバルに大きく差をつけたようだ。

こっちでもキティは人気があるようなんだが…


…この部屋はいささか精神を病みそうだった…

この他,Production I.G. のアニメ制作に関する展示があり,『攻殻機動隊』の資料やら,『人狼』の製作現場を追ったドキュメンタリーなんかが上映されていた。ここは人気が高く,黒山の人だかりだった。

しかし,この展示から我が国の何が浮き彫りになるんだろ。

ちょい,不安になった。

2011年2月18日金曜日

ざわざわ

さて,僕の帰国まであと 41 日となった。

さすがに,そろそろいろいろと周りからザワザワと雑音が聞こえてきた。

と同時に,こっちにいる間にやり残すことがないように,という思いも出てきた。

今週はずっと論文を書いていたし,
研究として,まだやっておきたいことも残っている。

一方,まだメルボルン周辺やオーストラリア国内で行っておきたい場所も残っているので,その辺りも計画的に潰していかなくちゃいけない。

僕の帰国は 3/31

そして一週間足らずで.授業が始まるから,その準備なんかも残っている。

と今晩考えてちょっと憂鬱になった。

いかん,いかん,楽しいこと考えよう。

3 月の半ばくらいまでは研究モード。

3 月の半ば過ぎに一週間ほど旅に出ようかと思っている。

で,旅から帰ったら 1 年間の後片付け & 4 月からの準備モード。

と考えたら,あと 1 ヶ月はゆっくりできるじゃん,
と度胸が出た。

こうでなくちゃ。

ところで,4 月からは久しぶりに 3 年生の授業を持つ。
前期の授業は 3 年と 4 年がメイン。
新 3 年生と 4 年生は,1 年のときに僕が担任を持った年代だ。

1 年いないと,その間がすっかり抜けるので,
もうそんなに経つのかよ,と時の速さを実感する。
でも,あと 1 ヶ月は時間にゆっくり進んでもらいたいね。

いや,ホントに。

まだまだエンジョイするよ。

2011年2月16日水曜日

還付申告

みなさん,確定申告の季節です。

疑うべくもなく,僕は給与所得者であるわけで,通常は所得税などは源泉徴収されるため,年末調整ですべて済む。ただ,僕の場合,ユニセフマンスリー・サポート・プログラムというのをやっているので,年間に数万円程度の寄付金があるため,寄付金控除が受けられる。で,この手の控除は年末調整の範囲外なので,還付申告を行なうと,だいたい数千円の税金還付が受けられるというわけ。

というわけで,今年も国税庁のウェブサイトで確定申告書を作成した。ただ,今年は例年と違い,還付金の金額がかなりの額になることがわかった(正確には大体わかっていたけど,正確な金額を確認した)。

実は,僕が在外研究員として 1 年間オーストラリアにいるのは,出張扱いということになっている。正確には 341 泊 342 日の海外出張。というわけで,旅費は職場の出張旅費規定に従って,その日数で計算されている。ところが,在外研究員としての出張旅費の出所が,これまた規定で
となっている。ちなみに,1/4 は 100 万円を超えたので学校からは 100 万円ポッキリ。そうすっと,残りの 1/4 強はどうするか,というと,これが自腹。より正確には,不足分は自分で高専機構に寄附金を入れ,それらをひっくるめた 342日分の旅費が,あるタイミングで自分の口座に振り込まれる,という仕組みになっている。

というわけで,事実上,かなりの額を機構に寄付したことになっている。計算すると全体の 3 割強は自腹

で,税金の話に戻るんだが,この寄附金,確定申告における寄付金控除の対象になるということで,これがなかなかバカにならない。寄付した金額が税率をかける所得額から,ほぼそっくり引かれる(実際には数千円の差し引きと所得額の 40% までというキャップ制がある)。しかし,我ながら還付金の金額を見てかなり驚いた。これはやらないばならないよ。

ちなみに,ここ数年は電子申請 (e-Tax) をしたんだが,電子署名用のカードやらカードリーダやら,こっちに持ってくるのがめんどくさかったので,今年はデータ入力だけウェブ上で済ませ,作成された PDF の申告書を日本にいるヨメに頼んで印刷,提出してもらう。

というわけで,遺漏なきよう,よろしくっ! >> せ
毎度毎度,苦労かけるねぇ…

2011年2月14日月曜日

お披露目?

今日はアレですな。1958 年に発見された「地球の磁場にとらえられた、陽子、電子からなる放射線帯」(Wikipedia より引用)にちなんだ日だったんですな。

という 92 歳なボケはおいといて…(←こちらを参照。)

今夜は僕の住む University College の食事は中庭でバーベキューだった。一応,ふれこみとしては,

The BBQ has been organized to welcome the new RTs 
and the Student Exec and provide an opportunity 
for everyone to socialize.

とか,書いてあったんで,

ああ,新しい RT (Resident Tutor) とかを紹介してくれるんだなぁ

とか思ってたんだんだが,開始時間に中庭に行くと,既にシェフらによって肉なんぞが焼かれていて,ビュッフェ式に各々欲しいものを取って,ダラダラと食べ始めている…

そっか,そのうち,中締めみたいにして Head 辺りがしゃべんのかな? 

なんて思っていたんだが,食べ終わって,周りの人達との話も一段落した辺りで,学生やスタッフも一人ずついなくなる…

あれえ…話が違うんじゃねーの? 

ちなみに,僕の隣には新しい台湾人の RT がいた。彼は日本語も勉強しているので,日本語で話をしていたんだが,彼曰く,

今日は新しい学生スタッフとかを紹介するって聞いたんですけど…

だよねー? だよねー? この辺りが,この国はいかにもユルいんだよなぁ。みんな,ふつーに飯食って帰って行きよんの。

今年は寮の Tutorの大部分が入れ替わったってことで,まだ全員とも話してないし,いい機会だと思っていたんだが,はぐらかされてしまった。まいったね。でも,そのうち顔を合わせるだろうから,

ま,いっか。

コレだな。この「ま,いっか」の加減が 10 ヶ月近くいてもまだモノにならないんだよな。あと 1ヶ月半,精進せねばな。

追記: 
     ちなみにお隣さんから放射線帯ならぬ,
     チョコやらワインやらいただきました。
     御馳走さまです。

2011年2月13日日曜日

新作一挙公開

昨日の話。

昨日,St. Kilda にあるパブ Local Taphouse で Great Australian Beer SpecTAPular というイベントが開かれたので行ってきた。時間は正午から午前 1 時まで。まぁ,午後の比較的早い時間に行けばいいだろうということで,会場に 14:30 くらいに到着。すると,入口から長蛇の列が…入場制限されており,誰かが会場を出ないと次の人が入れない仕組み…

まいったね。

まぁ,ゆっくり行列に入って待ったところ,40 分以上かかってやっと入場できた。

さて,このイベント,オーストラリア各地のマイクロブルワリーがそれぞれ自慢のビールを持ち寄って,それをテイスティングしようというもの。しかも,どこのブルワリーもこれまでまだ公開していないバリバリの新作を持って来ている。今回テイスティングできたビールは何と 19 種類!

ビールはグラス,ジョッキのほか,60ml のテイスティンググラスでもサーブされるので,とりあえず全部試す向きにはこれがおススメ。60ml だと 1 杯 $1.5。

しかし,すごい人だったので,テイスティングしようにもテーブルも確保できない。というか,じっと立っていることも難しい状態。


そんな過酷な状況だったが,何とか全作制覇。そんな中,僕が一番気に入ったのは西オーストラリアの Feral Brewing の Karma Citra。これはチョコレートモルトを使った真っ黒な IPA。見た目も苦味も重量感たっぷり。IPA 特有のグレープフルーツのようなシトラス系のアロマを持ちながら,チョコレートやエスプレッソのような風味も感じられる。これだけ独特でありながら,バランスもいい。これは今回の出品ビールの中でも群を抜いていたような気がする。Feral は White や Hop Hog IPA など,良質のビールを醸造していてなかなか侮れないブルワリーだと思う。

そのほかで気になったのは,やはりチョコレートモルトにチェリーとココナッツを加えた True South Cherry Bomb,バニラとココナッツの香りが独特な Burleigh Brewing の Fanny Gertrude's Anzac Bickie Beer,モルティでありながらホップ由来のフルーティな香りも楽しめた Stone & Wood Red Relief,ナッツやドライフルーツの香り,ブランデーのような風味が楽しめる 4 Pines Wee Heavy 辺りだろうか。

変わったところでは,キュウリを一片入れてサーブされた Mountain Goat Cucumber Sandwich はフルーティなアロマとキュウリの香りが混ざってキーウィみたいな香りを醸し出していた。あれかね,キュウリにハチミツかけたらメロンになるみたいな,そんな感じ。Hunter Chocolate Chilli Porter は,Hunter Beer のチョコレート・ポーターに唐辛子を加えて醸造したもので,最初はチョコレートのようなアロマと苦みが,そして次第に唐辛子の辛さと適度な酸味がやって来るという時間差攻撃を味わえる複雑な逸品。Holgate the Empress は,Holgate Brewhouse のチョコレート・ポーター Temptress にコーヒーを加えたもので,モカやバニラのようなアロマにカルーアのような甘みが特徴。個人的にはちょい甘すぎたかな,とも思う。

うーん,全部書いてしまいそうになったんでこの辺にしておこう。

会場では Thunder Road Brewing のフィリップとマサコさん,ブルワーのハービーやマーカスとも会えた。先日,僕が呑んだビールのテイスティングノート (PDF で 5 ページ,43 種のビール評という大作…それより論文書けよって話?) を送ったお礼として,ビールを御馳走してもらってしまった。ありがとうございます。 大変美味しゅうございました。

その他にもあちこちのブルワーさんやらテイスターさんなんかも参加していて,メルボルンのビール関係者勢ぞろいだったんじゃないかという盛況ぶりだった。

フィリップやマサコさんなんかといろいろ話をしながら呑んでいたら 3 時間以上が経っていた。僕は夜,フットボールの NAB Cup を見に行く予定があったので,18:30 くらいに会場を後にしたのだが,ちょっと後ろ髪をひかれる思いでもあった。いやぁ,あの後も盛況だったんだろうねぇ。

こういうビアフェス,ブルワリーとバーが提携して日本でもやったらおもしろいと思うけれど,東京だと規模が大きくなりすぎて難しいかもね。単純に考えても人口 3 倍以上だし…

2011年2月12日土曜日

至高の贅沢

昨夜,Collins St. の Regent Theatre にチック・コリア率いる Return to Forever IV の "Hymn of the Seventh Galaxy Tour 2011" メルボルン公演を見に行ってきた。

いやぁ,何とも贅沢な空間だった。ステージにはチック・コリア (p/key),スタンリー・クラーク (b),レニー・ホワイト (Ds),フランク・ギャンバレ (g),ジャン・リュック・ポンティ (vl) という豪華メンバー。僕の持っているフライヤーではギターはビル・コナーズになっていたが,今回のツアーはオーストラリア出身の名ギタリスト,フランク・ギャンバレが正式に参加している。

前半のステージは全体にロック色の強いサウンド,後半は一部,アコースティックな "unplugged" とでもいうべき演奏を含んだものだった。しかし,チックとスタンリーがこのバンドで組んでから 40 年近く経つわけだが,円熟したプレイヤー達が楽しみながら余裕の演奏を繰り広げる様を間近に見ることができて大満足(座席は前から 6 列目だった)。とにかく,リラックスしている風に見えて,軽~い感じで物凄い演奏をするんだから,ひと味もふた味も違う。スタンリーとレニー・ホワイトのリズム・セクションの掛け合いなんて鳥肌が立つようだった。

スタンリー・クラークが上原ひろみをフィーチャーしてリリースした昨年のアルバムは,日本盤ボーナストラックを聴きたかったので,こっちでは買わず,ネット購入して東京の自宅に配送してある。帰ってから聴くのが楽しみだ。

上原ひろみのブログを見ると,スタンリーは 2/6 まで極寒のセントルイスで彼女と共演していたらしいから,その直後,南半球までやって来たようだ。一方の上原ひろみは,2/10 にブルーノート東京で行なわれたリー・リトナーのステージを見に行っていたらしい(布袋サンのツイートによる)。アルバム "6 String Theory" も素晴らしかったし,このリー・リトナーのステージ,東京にいたら,絶対に見に行っていたと思われるだけに悔しい。リー・リトナー + マイク・スターン + 布袋寅泰のトリプル・ギターにサイモン・フィリップスのドラムス。いやぁ,こんなのなかなか見られるもんじゃない。生で体感したかったなぁ(布袋氏のブログも参照。素敵な写真がたくさん見られる!)。

ブルーノート東京のブログによれば,このステージは BS フジで放映されるのと DVD リリースも予定されるらしい。悔しいけど,それを楽しみにしよう。

世界中にいい音が溢れている。

近いうち,エジプトにもこんな音楽が流れるだろうか。

2011年2月9日水曜日

ドレスコード

この国では,ときどき,裸足で歩いている人を見かける。トラムの停留所なんかで平気で裸足で待ってたりする。公園なんかで裸足になるのはともかく,街ん中ってのはなぁ…と思うんだが,まぁ,自由な国なのねぇ,くらいに思っていた。

そうしたら,こないだ新聞のコラムで「公共のマナー」について書いたものがあって,その中に,映画館でキスしないこととか,公共の場所で立ち小便しないこと(←これはかなり問題だが),とかいうのに混じって,

映画館や飛行機の中で裸足にならないこと

ってのがあった。

あのぉ,普通,裸足にならないんですけど…

そう言えば,今でも写真を取ってこなかったことを激しく後悔しているんだが,タスマニアからメルボルンに帰ってくるとき,フェリーの乗り場にユニークな看板を発見した。

Spirit of Tasmaniaでは
乗客に最低限度のドレスコードを求めます。

T シャツ
短パン
履物 (footwear)

これ,何気なくスルーしそうになったんだが,考えてみると,最低限度も最低限度。ぶっちゃけ,裸とか下着だけ,裸足で乗るなってことだろ?ルールができたってことは過去に事例があったってことだと思うんだよね。

このくらいは着ようよ。

いやぁ,これ以上ユルいドレスコードは,なかなかないよぉ。

つうか,普通,こういうの,ドレスコードって呼ばない…

いくら,この国になじんできたって言っても,このドレスコード破るとこまでは行かんよなぁ。

2011年2月8日火曜日

なまり

オーストラリアの英語には独特の「なまり」があることはご存じだろう。

16 年前,僕が初めてオーストラリアに来た時,レストランで支払いのとき,

パイン,キャッシュ?

と聞かれ,

この国はマツボックリをカネの代わりに使うほど未開なのか…

とまでは思わなかったが,何のことかさっぱりわからんかった。少しやり取りして,やっと

Pay in Cash ? 

と聞かれたことを理解した。

さて,先週行われたワークショップで,ある講演を聴いているとき,やたら

ア・キー・キー

と繰り返す。何キーキー言ってんだろう?と一瞬分からんかったんだが,その直後,スライドで情報量基準 AIC が出てきて,やっと理解した。

そう,AIC は Akaike Information Criteria と呼ばれる。日本語では赤池情報量基準。「ア・キー・キー」は「赤池」だったのか。Akaike だから,正確には

ア・ケイ・キー

と言っていたんだと推測される。「アカイケ」なんだけどねぇ。でも,講演者はオーストラリア人でオーストラリアなまりも若干あったから,どっちかっていうと,

ア・カイ・キー

と発音しそうなもんだけどな。これだったら恐らく文脈から予想できたような気がする。固有名詞だから,なまらないように気をつけたんだろうか?でも,この場合,なまった方が正解に近いのよね。いやぁ,残念!

ここで 1 年も暮らしていると,こっちのなまりがすこーしだけ伝染ってくることがある。というか,あえて,そんな風に発音することもある。

例えば,パブでビールをオーダーする時,ざわついているから聞き取りにくいのと,恐らくこっちの発音もあんまり良くないんだと思うが,聴きなおされることが時々ある。でも,

ペイル・エイル!

と注文するより,少しエとアの中間音くらいのつもりで,

パイル・アイル!

気味に発音した方が一発で通じる確率が高いような気がする。

そんなこんなで,すこーし伝染し始めているもんで,普段こっちの人達と会話していても,ときどき我に返って

やばっ!

と思う瞬間がある。なまったまま帰りたくはないんだけどねぇ。もうあんまり時間もないねぇ。

2011年2月7日月曜日

TRB No.2

Today I visited Thunder Road Brewing Co. in Brunswick.  I've heard that they brewed their 2nd beer, so I went there to taste this brand new product. Exciting, isn't it?

Brewery is still under construction, but they've already have a walkway where we can enjoy a tour. It is quite exciting to see the working facilities that closely.


This quite metallic view might fascinate pipe-fetish guys (I'm not sure there are that many pipe fetish people...). This view establishes a kind of solid impression of this brewery as "brewing factory in the city".

In the cottage outside the factory, there are a dining room, a function space, a merchandise space and a library where we can browse many books, posters and photos regarding beers and brewing histories. Excellent!


I've found a neon light of the brewery. This is cool as well !


Their new beer (called as just No.2 at the moment) has quite different impression from the former one. Their first beer "Full Steam" is a kind of wheaty, fruity and refreshing lager. This "No.2" is an ale brewed from a single malt and two different hops. They told me that all ingredients are Australian grown, and in fact, they all came from Victoria. A real local ale!


This is clear bright yellow colored beer with beautifully white head. I could feel a herbal hoppy aroma at the first nose. It has really a subtle dry hop bitterness that lasts quite long even after swallowing. This seems dry and sharp hoppy ale, but after getting warmer, some fruity aroma became dominant. So it seems that the characters of two different hops are coming with some time lags. Quite unique. In my view, "Full Steam" is a lager with a twist. This "No. 2" also seems like a twister because it's an ale, but has lager-like dry hoppy characters. Interesting !

As I mentioned above, the factory is still under construction, but they're going to start brewing in this site from the end of February and it will be opened to public in around April.

Wait, wait... I have to go back to Japan in the end of March... Oh my god!

But they told me that I can taste their new beers before I leave here. And in fact, I'll be back to Melbourne for a week or so in July again!!

They are planning to brew over 30 different styles of beers at the same time with these facilities, and they'll be all served on tap here. So it's gonna be a place where beer-lovers in Melbourne MUST visit. It's quite close to CBD, so it would be a pleasant place for beer-loving Japanese travelers to visit. I promise!

You can find what's going on here in their facebook. Check it out!!

Japanese version is here.

TRB 2 号

久しぶりに Brunswick に建設中の Thunder Road Brewing を訪れた。前回はここの最初のオリジナルビール Full Steam をテイスティングさせてもらったが,今回は第 2 号のビールができたってことで,それを試させてもらえるとのこと。楽しみ。

工場の方もかなり出来上がってきて,ブルワリーツアーなどができるようなウォークウェイが設置されたりしていた。


パイプフェチにはたまらないこの金属感(パイプフェチって,約 1 名しか知らないけど…)。ソリッドな感じが都会派ブルワリーのイメージを際立たせているようにも見える。

工場の外にあるコテージはビール関係の図書をあつめたライブラリーや販売スペース,ダイニングやファンクションルームとしても使えるらしい。下の写真は,かなり整理されてきたライブラリー。


一日いても飽きないかも。別の部屋には,アメリカのバーを思わせるようなネオンも出来上がっていた。


さて,そろそろ一番大事なビールの話。今回出来上がったビールは前回のものとは少し味わいの違うもの。前回の Full Steam は,小麦麦芽なんかも使ったラガーで,フルーティな味わいも感じられる爽やかなビール。ラガーとしては意外なほど特徴が際立ったものだった。一方,今回はエールタイプ。シングルモルトと 2 種類のホップを使用しているとのこと。モルトもホップもすべてオーストラリア産,もっというとすべてヴィクトリア州の原料を使った正真正銘のローカルビアとのこと。透き通った明るい黄色に白い泡が美しい。


鼻を近づけると,ハーブを思わせるようなホップの香りが強い。これはホッピーなエール。口に含むと,前回の Full Steam で感じたようなフルーティさよりも,ホップ由来の苦味が支配的。苦味は長く後を引く。見た目は軽いイメージだったんだけれど,意外にしっかりした味わいのビールだ。冷たいうちは,ハーブ系の香りが支配的だけれども,ぬるくなってくるとフルーティな香りが次第に強くなってくる。なるほど,2 種類のホップの特徴は確かに感じられる。時間差で特徴が出てくるあたりがユニーク。Full Steam はフルーティで爽やかな「意外なラガー」だったが,今回のビール(第 2 号と呼ぼう)は,一瞬ラガーかと見紛うような「意外なエール」だ。なかなか面白い。

さて,工場はまだ建設途中だが,このサイトでの醸造は今月末くらいから始めて,ブルワリーが正式にオープンするのは 4 月くらいになるとのこと。

ちょちょちょ…僕は 3 月に帰るんだから間に合わないじゃん。

でも,4 月に出すであろうビールは,帰る直前くらいに訪れると呑ませてもらえるようで,良かった。今年は 7 月にもメルボルンを再訪する可能性があるから,それを楽しみにしたい。

このブルワリーでは,常時 30 種類以上の異なるスタイルのビールを醸造することを計画しているということで,コテージにあるライブラリーも含めて,メルボルンのビアラヴァーなら一度は訪れなくてはならない名所になることだろう。ってか,なって欲しい。シティからも近いので,日本から来たビールファンにもぜひ訪れて欲しい。

詳しい情報はブルワリーの facebook をチェックのこと。ビデオも楽しめるよ。

ちなみに同じ記事の英語バージョンもあります。ここをクリック

2011年2月6日日曜日

旧正月

こないだの 3 日は,旧暦の元旦。この週末は旧正月を迎えて最初の土日ってことで,中華街に行ってみた。


お約束の龍。ってか,獅子舞みたいなもんだよね。

それにしてもすごい人。アジア系だけでなくオージーもかなり繰り出している。

そして爆竹。


そこかしこで子供が号泣しとりました。

世界中,どこのチャイナタウンでもやってるんでしょうなぁ。

でも,日本にいても,横浜の中華街とか,2 時間もかけて見に行ったりはしないんで,いい機会ではありました。あぁ,でも東横線が乗り入れたんで,前よりは行きやすくなったか…中華街。

ここだとトラム1本で来られるんでね。アパートからはトラムで 10 分。

その後,今日は,中華街を後にして,タダで素晴らしい眺めを見られるというメルボルンの隠れスポットへ。


MCG などオリンピックパークやヤラ川沿いが一望できる。ちょい,前のマンションが邪魔ではあるけれど,ユーレカデッキに高い料金払って上ること考えたら,これはかなり安上がり。ダンデノン丘陵もキレイに見渡せる。

このスポットがどこか知りたい方はご連絡ください。

ではでは。

2011年2月4日金曜日

嘆願書

我が家のテレビは基本的に NHK への依存率が高い。基本的によく見るのは,映画,スポーツ,ニュース,それに子供番組あたり。バラエティはほとんど見ないし,ドラマは気に入ったものがあれば 1 クールに高々 1 ~ 2 本がいいとこだろう。思い起こすと,オーストラリアに来ても,テレビで見るのはニュースとスポーツと映画くらいだ。

そんなもんだから必然的に NHK への依存率が高くなる。恐らく,録画して後から見るようなものも含めれば,テレビの総視聴時間中の 7 ~ 8 割は NHK なんじゃないかと思う。だから,受信料を払うのも仕方ないよなぁ,と思っているし,これだけ見ていれば,恐らく平均よりも見る割合が高いだろうから,よそ様の払っている受信料で見させていただいているようなところもあるのかもしれない。

さて,そこで相撲の話。

これだけのヘビーユーザーの意見だから NHK 関係者は耳をかっぽじってよく聞きなさい。

NHK の相撲中継はこれまで BS2 で午後 1 時から始まり,幕下あたりの取り組みから放映されていた。総合テレビでは午後 3 時くらいから放送するが,それでも十両当たりの取り組みから放送されることになる。

なぜ,相撲ばかりそんなに優遇するのだ?

NHK は野球,J リーグなど他のプロスポーツも放送しているが,いわゆるトップレベル以下の試合を放送しているのは相撲に限られる。世界的に見ても,公共放送で特定のプロスポーツを,特にトップレベルとは言えないクラスの対戦を含めて,毎日欠かさず,しかも複数チャンネルで同時生放送している例はかなり特異だと思う。何も知らない外国人は放送事故だと思うんじゃないか?

ただ,この春からは BS の大相撲中継は廃止され,総合テレビの午後 3 時以降の中継のみになるらしい。それでも,十両あたりの取組は放映されることになるだろうから,優遇されていることに変わりはない。幕内だけでいいだろう?毎日じゃなくてもいいだろう?

まぁ,ここしばらくの騒動で場所そのものがなくなるかもしれないし,放送そのものがなくなる可能性もある。しかし,これまで長く優遇されてきた歴史が,そこまでドラスティックに変わるかどうかはマユツバだと思う。ただし,この騒動,そしてデジタル放送への完全移行というこのタイミングは,NHK がこれまでの来し方を振り返り,これからの行く末を考えなおす絶好の機会だと思うわけだ。

個人的に相撲にそれほど思い入れがないから,強く言うわけなんだけれども,百歩譲って,1 チャンネルのみで場所中毎日午後 3 時以降から相撲の放送をすることを認めたとする。それならば,プロ野球の 2 軍の試合も放送しなさいよ。レギュラーの試合が難しいのなら,せめてフレッシュオールスターくらいは中継しなさいよ。サッカーも J2 の試合を放映しなさいよ。

国体とか,高校野球とか水泳(これは個人的には歓迎だが)とか,アマチュアの試合も放送しているのに,プロのトップクラス以下はなぜか知らないが放送してくれない。相撲を除けばだ。

テレビの醍醐味はやっぱりリアルタイム性だと思うのだ。だからスポーツやニュースを見る割合が必然的に高くなる。複数チャンネルを持っても,昔のドラマの再放送とか,そんな事ばかりに使うのなら電波と受信料の無駄遣いだと思う。

相撲をこれだけ放映しているから,幕下あたりの力士の名前を知っているお年寄りも多いだろう。それは他のスポーツでも同じことだ。さまざまな競技の,しかも,トップレベルの選手だけでなくいろいろなクラスの選手たちに光を当てることで,スポーツそのものの振興にもつながると思うのだ。それでこそ公共放送の意義も見いだせるというものだ。長いものに巻かれてどうする。

というわけで…

J2 も放送しようよ。

ベンチに座っているゴン中山も全国の皆さんにお届けできるよ。
(↑これ以上強く言えんところが何とも歯がゆい…)

お願いしますよ。金払ってんだからさ。

2011年2月3日木曜日

チュートリアル

今日は AusCTW2011 の最終日。一般講演はなく,チュートリアルが午前と午後 1 件ずつあるのみ。両方とも聴講してきた。

午前中の 1 件目は,NICTA (National ICT Australia) の Dr. Leif Hanlen による

Wireless Body-Area-Networks: a wearable intranet

なる講演。これは自分の研究テーマというより,学生向けのテーマとして将来的に可能性があるかなぁ?なんてことを思ったんで,技術動向を把握することを目的に聞いてきた。技術的にどんなことが要求されるか,とか標準化の動向なんかは大体わかったけれども,小規模なラボで学生向けの適切なテーマが設定できるかどうかは,現時点では何とも言えない,という感じ。ただ,早ければ来年の前半には体や衣服に装着する小型無線機器が市場に出るだろうってことなんで,そうなると,何か面白いことができるかなぁ,くらいしか今は言えない。

午後は,UCLA の Dr. Lara Dolecek による
 
High-Performance Graph-Based Codes
 
なるレクチャー。基本的に LDPC 符号の話。前半は LDPC の基礎。後半は absorbing set の解析とその応用に関する話。LDPC の復号誤り率においてエラーフロアが生じる問題の原因として,タナーグラフ上のビット反転では改善できない absorbing set というビットノードの集合を考えて,そのトポロジカルな構造や誤り率との関係について理論的な考察を与えたという話。また,その結果として,エラーフロアの回避や,誤り率が極めて低い場合の特性解析に要する計算時間を軽減する方法などが紹介された。
 
個人的にはこっちの話の方が面白かったし,今の自分の研究テーマに即座に関連はしないかもしれないけれども,いずれ必要になることがあるかもしれない。

今回の会議は,自分の研究を前に進める上で大きな収穫はなかったけれども,自分の発表でも,すごく食いついてくる人も何人かいて,それなりの手ごたえはあった。今回のネタは,完全相補系列を使った原画像非参照型の電子透かしの話題。ポスターの最後の方で,ちょっとだけ,この研究で提案している方式と以前提案した CT-CDMA という通信方式の類似性について言及した部分があった。で,聴きに来た人の一人が,どうやら僕の CT-CDMA の論文を読んだことがあるらしく,これについて詳しく訊いてきた。通信方式としてはあまりスジの良い方法ではないんだけれども,単一の符号で多くの情報をオーバーラップして伝送できる,という特性が,電子透かしにおいて 1 つのメディアに同時に多くの秘密情報を埋め込むことに利用できる。さすが,一度読んだことがあるだけあって,
 
キャパシティを増やすには,系列長を大きくしなくてもいいのか?
 
とか,いきなり核心に触れるようなことを訊いてきた。で,

  • 系列長ではなく,符号を連接するときのインターバルが重要
  • 系列長が短くても埋め込む情報量は増やすことはできるが,
    符号の種類が豊富に取れないので,セキュリティ上問題

みたいなことを説明すると,

OK! Good! Interesting!

とか言って去って行った…これまで会ったことのない人だったけど…ひょっとして論文の査読者だったりして…


2011年2月2日水曜日

不吉

今週の月曜日からメルボルン大学で AusCTW2011 という会議が開かれている。これはオーストラリア国内の通信理論に関する会議だが,海外からの投稿も受け付けていて,査読付き,採録された論文は IEEE Xplore に掲載されるというもの。ただし,論文が採録されても口頭発表はなく,一般講演はすべてポスターセッション。午前中がポスターセッションで午後はすべて招待講演。まぁ,でも,オフィスのある隣のビルが会場だし,一応,ここで研究を進めてきたアリバイ…もとい,実績にもなるだろうし,ということで投稿していた。論文は採録されて,今日,無事に発表も終了したというわけ。

何にも「不吉」じゃないじゃん。

そう,以上は単なる近況報告。

不吉」は昨日の夜からアパートで起こった話。

まず,昨日の深夜,停電が起こった。午前 2 時頃,ちょっとメールの整理なんかをしていて,そろそろ寝よっかなぁ,と思ったら,

バチッ

と部屋の照明が落ちた。どうやら停電らしい。PC もバッテリーモードになった。アパートのネット回線で使用しているハブも電源が切れたらしく,ネットからも切断された。さらに都合の悪いことに,部屋の目覚まし時計兼ラジオはバッテリー駆動ではなく AC 電源を取っているので,これも時間やアラームがリセットされてしまった。今朝,発表だったんで目覚ましかけたんだが,時計が動かない。携帯は使えないし,腕時計のアラームも音が小さいので心許ない。というわけで,朝,明るくて目覚められるように,カーテンを開けて寝た。

明け方,目が覚めたら部屋の証明が煌々とついていて,どうやら復帰したらしかった。

不吉その 2。

今日,夕方ジョギングに行ってシャワーを浴びた。その後,夕食を取って,部屋に帰って来てしばらくすると,隣のマツモト先生から連絡。

「先生の部屋,水出ますか?」

え?さっき,シャワー浴びたけど…と思いながら蛇口をひねってみると水が出ない。

おいおい

ただ,これはしばらくしたらすぐに復旧したらしく,すぐに水は出るようになった。後から思い出したんだが,僕は洗濯機を回している最中だった。どのくらい断水していたのかわからないけれども,洗濯には影響なかったんだろうか?とりあえず洗えてはいたようだけど…

うーん。二度あることは三度あると言いますからなぁ。今日から明日にかけて,次は何が襲ってくるのやら。